概要
✔ 本事例で取り上げる「GER4TECH Mechatronik GmbH (以下GER4TECH)」社は、オーストリアの金属・メカトロニクス技術の専門企業です。自律型移動ロボットを含む高度な自動化ソリューションを提供しています。
✔ 同社のロボット「G4T4 – AMC」 には、作業を効率的に実行しながら必要なデータをすべて「GER4TECH」社 のフリート管理システムへ送信できる、安定性と超高速を兼ね備えたネットワーク接続が不可欠でした。そこで、テルトニカの5Gルーター 「RUTX50」が選ばれました。
✔ 最大3.3Gbpsのモバイル通信速度、幅広いM2M産業用プロトコルへの対応、遠隔管理機能を備えたこの5Gルーターにより、「GER4TECH」社は労働力不足に直面する顧客に効率的なソリューションを提供しています。
課題 ― ロボットの力だけでは足りない部分
少子高齢化やITスキル不足など様々な要因により、人材確保はますます困難になっています。その結果、企業は業務効率の低下・離職率の上昇といった課題に直面し、急速に変化する市場ニーズへの対応に遅れをとるリスクを抱えています。
こうした課題を合理的に解決するには、自動化技術の導入が欠かせません。
市場の期待に合わせてイノベーションと効率性を維持するため、多くの企業は、施設内を自在に移動し自律的に作業を行う移動ロボットの導入を進めており、確実な成果を上げています。
自律型移動ロボットは、特に製造、物流、農業、倉庫などの分野で数多くの課題に対応できるようにプログラミングすることができます。ところで、ここで課題が生じます。一般的にはロボットに電力さえ供給すれば、危険な作業や単純作業を昼夜を問わず実行できる ― そう思われがちです。
しかし実際には、ロボットの稼働において 電力と同じくらい重要なのがネットワーク通信環境 です。
安定した接続がなければ指令は伝わらず、データ伝送が途切れればロボットに指令を実行させることはできません。とりわけフリート管理においては、強固なインターネット接続がさらに重要になります。
この点を重視した「GER4TECH」社は、自律型移動ロボットに堅牢な5G通信を実現するため、テルトニカの5Gルーター 「RUTX50」を採用しました。
トポロジー

ソリューション ― 5Gルーターで実現する次世代の運用
「GER4TECH」社の自律型移動ロボット 「G4T4 – AMC」 には、テルトニカの5Gルーター「RUTX50」 が搭載されています。この5Gルーターは低遅延で最大3.3Gbpsの通信速度を実現し、信頼性の高いデータ伝送とスムーズなフリート管理ができるのが特徴です。
「RUTX50」にはギガビットRJ45ポートが5つ搭載されています。その1つを使って「G4T4 – AMC」 内部にある Siemens PLC に接続し、最大3.3Gbpsのモバイル通信速度と低遅延を実現します。5Gが利用できない環境においては自動的にLTE Cat 20の4G LTEへ、さらに必要に応じて3Gへと切り替わり、常に安定した通信を維持します。
堅牢な接続を実現するために、デュアルSIMとフェイルオーバー機能も搭載されています。「RUTX50」には2つのSIMスロットが搭載されており、追加のWANインターフェースとして機能します。このフェイルオーバーにより、プライマリ回線が切断・障害発生した際に自動的に別のWANへ切り替わるため、高い冗長性を確保できます。
このような堅牢な通信環境により、「GER4TECH」社はロボットとフリート管理システムとの間で途切れない通信を確立でき、ロボットから収集されたデータを保存・分析できます。ところで、この5Gルーターが「RUTX50」採用された理由は単なる速度やデータ伝送の信頼性だけではありません。
「RUTX50」はHTTP(S)、MQTT、Kinesisといった幅広い産業用M2Mプロトコルへ対応しているのが特徴です。これにより顧客は特定の通信要件を持つアプリケーションへも容易にロボットを統合できます。
さらに「RUTX50」の柔軟なプロトコル対応によって、PROFINETやPROFIBUSといった産業用インターフェースを活用し、CNC機械やエレベーター、コンベヤーシステムとの連携も可能です。
モバイル通信が利用できない場合も心配は不要です。「RUTX50」はデュアルバンドWi-Fiを搭載しており、顧客の環境によってはモバイル接続が利用できないケースでも、Wi-Fiをルーターの主なインターネット接続源として使用できます。
さらに、2.4GHzおよび5GHz帯を利用してWi-Fiをロボットや周辺機器へ分配することも可能です。これにより、データ伝送やフリート管理といったすべてのプロセスを、接続状況に左右されずに安定的に実行できます。
「RUTX50」のもう一つの大きなメリットは、テルトニカの「 RMS(リモート・マネジメント・システム)」 に対応している点です。これによりGER4TECHは、ロボットに搭載されたルーターの稼働状況を遠隔で確認・メンテナンスすることができます。
5Gルーター「RUTX50」をこのように自律型ロボットに組み込むことで、「GER4TECH」社は製造業や物流拠点をはじめとする企業に、低遅延かつ高信頼性を備えた次世代の労働力ソリューションを提供することができています。
FEATURED PRODUCT

Heading 5
Add a Title
Add a Title











