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RutOS 7.18 ファームウェア・アップデートの概要
2025年10月22日
RutOS の開発は常に進化を続けています。今回のバージョン 7.18 では、IoTソリューションをより強力・柔軟・効率的にする新機能を多数搭載しました。ユーザーの皆さまから寄せられたフィードバックと、変化し続けるネットワーク環境のニーズに基づいて設計された本アップデートは、あらゆるレイヤーでパフォーマンスを磨き上げ、より賢く、より安定し、よりスムーズに連携するネットワーク運用を実現します。

スターリンク(Starlink)専用 WebUI ページを導入へ

最新ファームウェアでは、スターリンク(Starlink) 専用の WebUI ページ が新たに追加されました。これでRutOS のインターフェース上からスターリンク( Starlink) 衛星インターネット接続を直接確認・管理できます。
この機能は「ステータス(Status)」 → 「スターリンク(Starlink)」 から利用できます。ここでは スターリンク(Starlink) の接続状況や主要なステータス情報を確認でき、必要な操作も行えます。スターリンク(Starlink) 衛星インターネットの状態を、ひと目で把握できる便利な管理ページです。
リモート環境・移動体用途でとくに効果を発揮し、外部ツールに頼らず現場運用をスムーズにします。小容量フラッシュモデル/アクセスポイント/ゲートウェイを除き、対応機種で利用可能です。

近年の Starlink 障害を受け、テルトニカではスターリンク( Starlink)+モバイル通信のフェイルオーバー構成 を推奨しています。Starlink とテルトニカ製ルーターを組み合わせれば、衛星回線が一時的に停止してもネットワークを確実に維持することができます。リモート監視・重要インフラなど、確実な接続が求められる現場において、現在Starlinkのみを導入している方にとっては、最適なセーフティーネットとなります。
その他の新機能
Time & Delay (時間・遅延)オプションの追加
「change_state」 アクションに新しい時間・遅延パラメーターを追加し、遅延・一時的な I/O 状態変更に対応できるようになりました。これにより、入I/O の 「変更タイミング・継続時間」を細かく制御でき、より柔軟な自動化が可能になりました。
「Event Juggler」 にジオフェンス機能を追加
今回のファームウェアアップデートでは、「Event Juggler」 に新しい 「GPS Enter/Exit」 オペレーターが追加され、デバイスが定義されたジオフェンス領域に「出入り」した際にイベントをトリガーできるようになりました。これにより位置ベースのより精密なイベント制御が可能となり、物流、輸送、リモート監視など、位置情報に基づく自動化の精度が大幅に向上します。
DLMS メーター読み取り性能の向上
「RutOS 7.18」 は、各クエリごとに接続を再開するのではなく既存の接続を再利用することで、DLMS スマートメーターの読み取り効率を向上させます。この最適化によりデータ取得速度の大幅な向上と、通信オーバーヘッドの削減が達成でき、より高速・より信頼性の高いパフォーマンスが実現します。とくに、大規模・複雑なインフラで稼働するエネルギー・公共サービス系 IoT ソリューションに有益です。
プロトコルコンバーターの更新
今回より、プロトコルコンバーター機能で Modbus サーバー、DNP3 outstation、SNMP が DNP3 クライアントのデータをソースとして使用できるようになりました。この改善により、産業用プロトコル間のデータ交換が強化され、エネルギー・公共サービス・自動化システム間の相互運用性が向上します。またデバイスと監視プラットフォーム間の統合が簡素化され、複雑なネットワーク環境における柔軟性と信頼性が向上につながります。
MQTT Modbus ブロードキャストメッセージ対応
このアップデートでは、MQTT Modbus ゲートウェイおよび Modbus サーバーに対し、ブロードキャストメッセージのサポートを導入し、複数の Modbus デバイスとの同時通信が可能になりました。これによりデータ伝送効率が向上し、大規模または複雑な展開での構成が簡素化されます。
API アップロード境界フォーマットの更新
サードパーティプラットフォームや外部開発環境とのスムーズな統合を確保するため、API ファイルアップロードの境界フォーマットが RFC 2388 に完全準拠するよう更新されてました。これにより、主要なプログラミング言語やフレームワーク全体で一貫した API 動作が保証され、自動化や統合作業がより簡単かつ信頼性の高いものになります。
WebUI / API における IPsec IPv6 対応
「RutOS 7.18」 では、WebUI と API の両方で IPsec 設定に IPv6 互換性が追加されました。これで現代のネットワーク要件に適した柔軟性が拡大します。このアップデートにより、デュアルスタックや IPv6 のみのインフラ全体で IPsec の設定・管理がスムーズになり、将来に向けたパフォーマンスが向上します。
UX/UI改善
モバイルステータスページの情報量を拡充
このファームウェアアップデートでは、モバイルステータスページが改善され、モバイル接続に関するより明確で詳細な情報が提供されます。キャリアアグリゲーションがアクティブな場合にプライマリバンドが表示され、接続時間、MTU、APN の値も含まれます。これらの追加により、モバイルインターフェースの性能をより包括的に理解でき、多様なネットワーク環境でのトラブルシューティングと最適化が容易になります。

モバイル使用量・モバイル信号ページの CSV エクスポート
モバイル使用量ページおよびモバイル信号ページに CSV エクスポート機能が追加され、監視や分析がより便利になります。生データを抽出して、詳細分析、記録管理、パフォーマンス分析に利用でき、大規模な展開の管理や長期的な性能トレンドの把握に役立つ実用的な追加機能です。

モバイル信号ページの履歴データ
モバイル信号ページでは、過去 1 時間分の信号強度履歴が保持されるようになり、短期的な接続変動をより可視化できます。このアップデートは、動的な信号環境下で一時的な低下を識別し、性能を最適化する能力を高めます。

SIM スイッチページの追加情報
SIM スイッチページには、各 SIM 切り替えに関するログが拡張 され、冗長接続設定における可視性が向上しています。ユーザーは「いつ・なぜスイッチが発生したか」「どの SIM が選択されたか」「各条件がどれくらいの時間継続したか」を確認できます。これらの追加により、自動 SIM 切り替えの分析が容易になり、稼働時間と信頼性の維持が向上します。

進化を続けるIoTプラットフォーム
「RutOS 7.18」 は、テルトニカが掲げる「継続的な改善」を象徴するアップデートです。あらゆる機能が、より堅牢で、透明性が高く、運用しやすいIoT環境を実現するために設計されています。
今後のアップデートに向けて、「こんな機能が欲しい」「ここを改善してほしい」 といったご意見もぜひお寄せください。皆さまの声が、「RutOS」 の未来をつくります。