概要
「インダストリー4.0」の進展により、製造業はかつてないほどの効率化を実現しています。自動化やAIの活用によって、これまで分断されていたシステムや工程が統合され、業務パフォーマンスの向上、データに基づく意思決定、そしてサプライチェーンの最適化が可能になりました。ビッグデータと分析の活用は、人による介入を大幅に削減しながら、競争力・収益性・生産性を高めています。
課題
製造現場には、複雑かつ専門的な各種機械や装置が並び、これらの設定や保守には熟練したエンジニアが必要です。多くの場合、機器は複数のベンダーから導入されており、その一部に不具合が生じると、生産ライン全体が停止し、製品製造の遅延や損失につながる恐れがあります。さらに、近年起きた世界的パンデミックの状況下では、隔離措置により多くの現場スタッフが一時的に業務に従事できなくなるという事態が発生しました。このような予期せ ぬ事態に対応するためには、安全なリモートアクセスと遠隔管理が不可欠です。そのため、各機械を確実に接続し、安定したインターネット環境とセキュリティを確保できる業務用のネットワーク機器が必要になります。
トポロジー

ソリューション
製造機械をネットワークに接続する最大のメリットは、運用データの収集が可能になることです。産業用イーサネットルーター「RUT300」には、イーサネットポート5つ、設定可能なデジタル入出力(I/O)2つ、USBポートが搭載されており、さまざまな機器やPCを容易にインターネットに接続できます。出荷時からファイアウォールが設定済みであるため、導入直後から高いセキュリティを確保できると 同時に、複数の主要VPNプロトコルに対応しているため、通信データを暗号化できます。
また入力電圧が広範で、さまざまな電子機器に適合できるのも特徴です。加えて動作温度範囲が広く、耐振動性を備えた堅牢な産業用設計により、さまざまな環境で長期にわたって安定運用が可能です。
さらに、本ソリューションの大きな特長は、「RMS(リモート・マネジメント・システム)」の活用にあります。「RMS Management」を使用すれば、「RUT300」のアップデートやメンテナンスを遠隔から実行でき、「RMS Connect」を利用すれば、ルーターの背後にある機械にも直接アクセス可能です。これにより、エンジニアが現場に行く必要はなく、遠隔で機器の設定、トラブルシューティング、運用管理を実行することができます。また事前に設定したルールに基づき、特定のイベントが発生した際にメール通知を送信するイベントレポート機能も備えています。