ギガビットルーター「RUTX11」が実現する赤十字の通信インフラ

概要

✔「Capestone BV」社は企業向けのモバイル通信・ワイヤレスネットワーク製品を専門に取り扱う技術商社です。製品販売だけでなく、導入時や運用時の技術サポート、さらにM2Mデータプランなどの通信サービスも提供しています。

✔災害発生時、赤十字は不安定なインターネット接続に悩まされ、現場の救助チームとの通信が途絶し、効果的な対応が取れませんでした。しかし、4G LTE通信とリモート管理ツールを備えた堅牢なデュアルルーターソリューションにより、指揮支援車両を完全自立型・常時接続の指令センターへとグレードアップすることができました。

✔ 「Capestone BV」のサポートとテルトニカ製「RUTX11」ルーターの採用により、赤十字は固定インフラに依存しない信頼性の高い通信ネットワークを確立。あらゆる現場で、指揮・連携・情報共有を可能にしています。

課題 ― 通信途絶による救助の行き詰まり

災害対応において、最も重要なのは「時間」と「通信」です。しかし、大規模な自然災害が起こると、通信インフラが不安定になったり・完全に途絶してしまうことが多々あります。地震、洪水、山火事などが発生すると、基地局の損壊や電力線の断線、ネットワークの混雑により通信が遮断等が発生し、現場と指令本部の連携が取れなくなってしまうのです。

国連の報告によると、2022年だけで387件を超える大規模災害が世界中で発生し、2,200億ドル以上の損害と1億8,500万人を超える被災者を出しました。その多くは、もともと通信環境の脆弱な地域で発生しています。「国際電気通信連合（ITU）」によれば、現在も世界人口の約3分の1がインターネットなしの生活しており、とりわけ農村部やインフラ整備が遅れている地域ではこの傾向が顕著なものとなっています。

こうした環境下で活動する赤十字にとって、現場における信頼性の高いインターネット通信の確保は「必須条件」です。医療チームやロジスティクス、現場のリーダーらがどんな場所からでも連携できるよう、支援車両は完全自立のネットワークを備える必要があります。

トポロジー

ソリューション ― いつでもつながる指揮ネットワーク

赤十字はこの課題を解決するため、支援車内にプロフェッショナル仕様のモバイルネットワークソリューションを導入しました。システムの中核を担うのは、2台のテルトニカ製ルーター「RUTX11」です。両機を連携させ、4つの通信事業者ネットワークを自動で切り替える構成とすることで、常に安定した接続を維持します。

この産業用ルーター「RUTX11」は、車両全体の通信ハブとして機能します。4G LTEの広範な通信エリアを活用し、有線インフラが整っていない地域でも確実な通信を確保。これが緊急対応の通信基盤として欠かせない存在となります。

また、ここで4枚のSIMカードを使用するのも特徴です。SIMカード4つはそれぞれ異なる通信事業者のもので、ネットワーク障害が発生しても自動的にフェイルオーバーが作動。電波が弱いエリアでも通信を継続できるよう設計されています。「RUTX11」の高度なマルチSIMルーター機能により、通信品質をリアルタイムに監視しながら最適な回線へ瞬時に切り替えることで、高信頼性の通信を確保します。

車両内部では、ギガビットルーター「RUTX11」2台が有線・無線ネットワークを提供します。「RUTX11」は、デュアルバンドWi-Fiとギガビットイーサネットに対応しており、ドローン、ラップトップ、タブレット等の通信端末、カメラなどの複数デバイスを一括接続。現場で必要な高帯域通信をスムーズに確保できます。

さらに、産業用ルーター「RUTX11」はGNSS（GPS）モジュールを内蔵しており、リアルタイムで位置情報を追跡可能。ナビゲーションや行動ルートの管理にも役立ちます。また、「RMS（リモート・マネジメント・システム）」により、IT担当者が遠隔からファームウェア更新、パフォーマンス監視、トラブルシューティングを実施可能。現場のネットワーク状態を常時可視化し、最小限のダウンタイムで安定稼働を維持します。

「RUTX11」は堅牢なアルミ筐体設計で、広い温度範囲に対応できるのも特徴です。炎天下の高温下・極寒の環境下でも安定動作を維持し、過酷な救助現場でも確実にミッションを遂行します。