4Gルーターによる自動タイヤ予知保全システム

概要

✔ この事例で取り上げる「Goodyear（グッドイヤー）」社は、ルクセンブルクに本社を置く高品質タイヤおよびスマートモビリティソリューションの大手サプライヤーです。ヨーロッパ全域に広がるサービスネットワークを通じて、主要な輸送・物流企業を支えています。

✔ 自動タイヤ分析と予知保全システムの構築にあたり、「Goodyear（グッドイヤー）」社は堅牢なセキュリティ機能を備えた信頼性の高いLTEルーターを探していました。

✔ 採用されたのは当社の4Gルーター「RUT951」。このIoTソリューションに、安定かつセキュアなLTE Cat 4接続を提供しています。

課題 ― タイヤトラブルを未然に防ぐには

世界の陸上貨物輸送市場は2024年時点で1,059億6,000万ドル規模に達しており、2033年には年平均成長率（CAGR）6.5%で1,363億8,000万ドルまで拡大すると見込まれています。輸送の成否を左右する要素は多岐にわたりますが、その根幹にあるのは、実にシンプルでありながら極めて重要な部品－タイヤです。

タイヤの安全性・分析・メンテナンスは、陸上貨物輸送業界の要とも言えます。健全なタイヤがあってこそ、世界規模の輸送システムは効率的に機能します。逆にそれが損なわれれば、物流全体が止まってしまうことになります。

こうした背景から、タイヤの状態を常に最適に保ちながらコストを削減できる革新的なソリューションへの需要が高まっています。

その一例が、当社のパートナー企業である「Goodyear」社が開発した「CheckPoint」です。「CheckPoint」は、自動タイヤ分析・予知保全システムで、複数の指標に基づきタイヤの状態を継続的に解析し、重大なトラブルやダウンタイムの発生を未然に防ぐことができます。

このシステムは、高精度カメラやレーザー、センサーなどの装置によって自動化されています。そしてこの装置をクラウドサーバーに接続し、データを分析・可視化するためには、高信頼なネットワークデバイスつまりモバイル・ルーターが不可欠です。この接続性なくして、自動化の実現はあり得ないといえるでしょう。

トポロジー

ソリューション ― 「RUT951」が支える「止まらない」タイヤ

「Goodyear」社は、自社のCheckPoint自動タイヤ分析・予知保全システムに、テルトニカの産業用4Gルーター「RUT951」を採用しました。

4Gルーター「RUT951」をRJ45ポートでPCと接続し、構内に設置されたドライブオーバー式のタイヤ検査システムの一部として組み込みます。地面に設置されたプレートには、特殊なセンサーとカメラが内蔵されており、タイヤのトレッド深さや空気圧、車軸荷重、ナンバープレート認識などが自動で測定されます。

たとえばこのシステムを物流センターに導入した場合、車両が出発・帰着時にプレート上を通過するたびに、全タイヤの状態データが収集されます。そして、「RUT951」のLTE接続によって「Goodyear」社のクラウドサーバーに即時送信されるため、クライアントはディスプレイ端末やモバイル・Webアプリを通じてリアルタイムで情報を確認できます。

4Gルーター「RUT951」のLTE Cat 4通信は、このIoTソリューションに十分な速度とスループットを実現。さらに、ネットワークの信頼性と冗長性を強化する多彩な機能を搭載しています。デュアルSIMによる自動フェイルオーバー、バックアップWAN、各種スイッチングシナリオに対応しており、4G通信圏外の遠隔地でも3G・2Gへの後方互換性により安定した通信を維持します。

また、「RUT951」はそれぞれの「CheckPoint」システムと安全な OpenVPN接続を確立でき、データの安全な転送を保証するとともに、リモートでのトラブルシューティングや顧客サポートにも対応します。